2018年5月20日開催、清洲城でのガチ甲冑合戦は「桶狭間の戦い」という題材を借りて、様々な検証を行う事ができました。
主なポイントは以下の3つです。
6mの長柄槍隊での集団戦を行い、歴史的検証を試みる。これが今回の合戦の一番のポイントでした。
実際に陣形を組み、再現した6m槍で集団戦を行った結果、6mの長さは運用が難しい、との結果になりました。
見た目のインパクトや、対峙した時の圧は相当ですが、やはり運用で考えると重いだけでなく非常に扱い難く、運搬なども考えるとコストに見合う成果は望めないのでは無いか、というのが今回の合戦における所感です。
信長の死後、結果的に6m槍が廃れたのも、そういった要因があるのではないか、と推察できました。
桶狭間の戦いは実は奇襲ではなく、織田方2,000と今川方2,000の軍勢が正面激突したのではないか、という説が最近は有力になってきています。
そこで今回は、我々の合戦でも総勢100名ほどを大体半数ずつ両軍に振り分け、当時の約1/40のスケールで正面激突の検証を試みました。
結果、集団戦では織田方の6m槍の運用の難しさもあり、今川方の油断を含めても、集団戦による勝利は難しいものとなりました。
当時の合戦において、一騎討ちは少なかっただろうと言われています。
今回のガチ甲冑合戦では、集団戦での勝負がなかなか付かず、最終的に馬廻り隊による一騎討ちでの織田方の優勢、更に今川義元が討ち取られたとの結果により、総合的には「引き分け」となりました。
おそらくは歴史上の「桶狭間の戦い」でも、織田方の圧勝というわけではなく、たまたま色々な偶然が重なっての勝利だったのでは無いか、との印象を強めました。
一般参加の皆さんには、それぞれの陣営で6mの長柄槍隊や、4m、3mの槍隊、また総大将周りを固める近習隊などに扮して、実際に陣形を組み、その場の侍大将達の指示に従って攻防戦を繰り広げていただきました。
現代の弓術とは違った弓の弾き方や、当時の常套攻撃手段である投石(印地打ち)など、様々な攻撃方法も体験していただきました。
今回は特に今川軍の守りが固く、織田軍は侍大将達の作戦会議を挟みつつ数度と陣形を変えて突撃する、というリハーサルにも無かったガチならではの展開となりました。
一般参加の皆さんも果敢にその状況に食らい付き、今川軍も織田軍も一体となってそれぞれ攻防に臨んでくれました。本当に良い合戦になったと思います。
我々の「ガチ甲冑合戦」では、時代劇の殺陣や合戦祭りの寸劇とは違う、武術的、戦術的な観点でのリアルな合戦再現を行っています。
今回の、ガチ甲冑合戦 清洲城「桶狭間の戦い」は、皆さんのおかげで大いに盛り上がり、大盛況で無事に終了することができました。
参戦、観戦、ともに本当にありがとうございました!
2018.05.21.放映「ドデスカ!」ほか数番組
2018.05.21.掲載
2018.05.21.掲載
5月31日号 掲載 (2018.05.24.発売)